答→できますが、おすすめはできません。
親子間の取引等特殊なケース以外は、不動産会社に依頼しましょう。質問者
不動産会社を通すと手数料がかかるので、個人同士で不動産の取引はできますか。
できますよ。
宅建士
質問者
じゃあ、自分で買主をみつけたら、不動産会社に依頼する必要はないですね。
そういう訳ではありません。
不動産会社は、買主をみつけるだけが仕事ではありませんから。
宅建士
質問者
そうなんですか?
不動産会社は、不動産の取引がスムーズに進むよう、全てにおいてサポートします。
宅建士
質問者
具体的にお願いします。
不動産会社の仕事は、「仲介」と呼びます。
売主と買主の間に入って、契約条件を調整することによって、契約を完成させるための手助けをします。
それだけでなく、重要事項説明書を作成したり、契約書を作成するのも大切な仕事です。
宅建士
質問者
重要事項説明書とは何ですか?
不動産の説明書といえば良いでしょうか。
買おうとしている土地、建物がどのような土地、建物なのかを書類にまとめたものです。
買主にとっては、どのような不動産なのかを知って購入したいですよね。
宅建士
質問者
見たら、大体どんな不動産か分かるのではないですか。
そんなことは、ありません。
例えば、土地の建蔽率(けんぺいりつ)という言葉を聞いたことがありませんか?
宅建士
質問者
あります。
その土地にどれぐらいの広さの建物が建てることができるかという話ですよね。
まあ、そのような感じです。
つまり、土地には、建てられる建物が法律で制限されているのです。
宅建士
質問者
なるほど、法律での制限は、不動産を見てもわかりませんね。
そういうことになります。
自分が建てたい建物がある買主は、その土地に希望の建物が本当に建つのか確認しないと買えません。
宅建士
質問者
どのような建物が建つのかは、重要事項説明書に書いてあるということですね。
その通りです。
買主にとって、不動産会社が作ってくれる重要事項説明は、とても大切なものなのです。
宅建士
質問者
重要事項説明書が大切なのは、分かりました。
でも、契約書は、インターネットでいくらでも出てきますから、それを使えば良いのではないですか?
それが、そうではありません。
私たちプロの宅建士が作成する契約書は、取引が違えば、違うものになります。
インターネットに載っているひな形は、売買契約をするときに最低限決めるべきことが書かれています。
しかし、これは、最低限度であり、実際は、もっと色々なことを事前に決めておく必要があるのです。
宅建士
質問者
例えば、どのようなことですか?
良く決めているのは、契約不適合責任を負うかどうかでしょうか。
契約不適合責任とは、売買物件が契約で決めていた状況や性能を満たしていなかった場合に買主が売主に対して、売買代金の減額や契約の解除を求めることができるかどうかという問題です。
例えば、家に雨漏りがして補修費がかかる場合に、補修費分の売買代金を減額することを求めるようなことができるかどうかです。
宅建士
質問者
大切な取り決めですね。
そうです。
売買代金を支払って、引き渡しを受けた後に不動産の問題が発覚することが多いため、相手にその責任を追及できるかは、非常に大きな問題です。
一般的な契約では、契約不適合責任を負うことになっていますが、もう築年数が古く、どんな不具合があってもおかしくないような建物を売買する場合に、売主から不適合責任を追及されたら、買主としては、困ってしまいますよね。
宅建士
質問者
そうですね。
だから、そのような時には、不適合責任を負わないと決めておかなければならないということですね。
そういうことになります。
不動産の取引は、多くの場合、高額の取引になりますので、契約条件というのは、とても大切なのです。
もし、契約書に記載のない、想定外のトラブルが起こった場合には、高額取引故に裁判沙汰になることも少なくありません。
欠陥のあるものを買った場合、100円で買ったものだったら、あきらめることも出来ますが、これが1000万円だったら、簡単にはあきらめられますか?
宅建士
質問者
それは、あきらめられないですね。
確かに、裁判沙汰になってもおかしくないですね。
高額な取引だからこそ、あらゆるトラブルの可能性をつぶしておくよう、契約条件は念入りに決める必要がありますし、それが決まったのであれば、契約書に記載しておくべきなのです。
宅建士
質問者
なるほど、契約書の大切さも分かりました。
それだけでなく、不動産会社は、不動産の取引がスムーズに問題なくいくよう、取引の準備を整えることも大切な仕事です。
宅建士
質問者
具体的には、どのようなことですか。
売買物件内の荷物の撤去、測量、建物の取り壊しなどの業者の手配を行います。
また、買主の住宅ローンの契約のお手伝いも行います。
名義を変更する登記も必要になりますから、司法書士も手配します。
売買代金以外に固定資産税の清算金を授受する必要がありますので、その金額の計算なども不動産会社の仕事です。
宅建士
質問者
色んなことをしてくれるのですね。
そうですね。
不動産取引の一から十まで、全てを取り仕切り、安全な取引を実現するのが仕事となります。
不動産会社を入れるメリットは、多いと思いますし、入れない場合、それなりのリスクがあるものと考えてください。
また、住宅ローン等売買代金を借り入れる場合には、不動産会社が入って、重要事項説明書がないと借りられないことが多いと思います。
宅建士
質問者
なるほど。
では、不動産会社を入れずに取引できる場合も限られてくるわけですね。
つまり、ローンを使わない場合であれば、不動産会社を入れなくても取引は可能だけど、取引にリスクが生じるし、手間も増えるということですね。
その通りです。
不動産会社の手数料は、非常に高額であると思います。
ですが、その分の責任と仕事はしてくれますので、不動産を取引する際には、ご依頼いただくことをお薦めします。
宅建士